ひるねゆったりの寝室

アニメとか漫画とか映画とかの感想を書いていきます

Amazon Prime Videoで振り返る2019年

早いもので、今年ももう終わりです。
怒涛の勢いで過ぎ去ってしまう日々に流され、今年の記憶ももう彼方へとんでいきそう。
そんなしんどい日常のお供はプライムビデオ。
通勤中やお昼休みを楽しい時間に変えてくれます。
その視聴履歴を見ながら、今年を振り返りたいと思います。
(※作品の下に貼ったリンクは好きな回)

 

『日本で一番悪いやつら』(1月)
どうやらこれが今年一発目のビデオ。
わ、悪いぞ綾野剛!『凶悪』とこの作品を観て、白石和彌監督に興味を持ち、『凪待ち』と『ひとよ』を観に行きました。
並べてみると、ちょっと作風が落ち着いた気がしますね。『孤狼の血』も観ないと。

日本で一番悪い奴ら

日本で一番悪い奴ら

  • 発売日: 2017/02/03
  • メディア: Prime Video
 

 

 

交響詩篇エウレカセブン』(3月)
なんだかんだ、今年プライムビデオで観た中で印象深いテレビアニメはこれ!
レントンがウザくて堪らなかったけど、終盤のエウレカとの蜜月は最高でした(男女がイチャイチャしてる作品が好きなので……)。『AO』も面白かったし、『ハイエボリューション』の最終作は劇場で観られそう。
ちなみに、2月は別の配信サイトで『コードギアス』をずっと観てました。

モーニング・グローリー

モーニング・グローリー

  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: Prime Video
 

 

 

花咲くいろは』『TARI TARI』『凪のあすから』(5月)
5月のある日。「P.A.WORKSにはまた『花咲くいろは』みたいな作品を作って欲しいですよね」と言われて「はは、そうですね」なーんて答えたのですが……実は観ていなかったのです。
そういうわけで、上気の3作を観ました。別の記事にも書きましたが、とっても面白かったです。特に『花咲くいろは』は、何か一か所が強烈、というわけではないのが良かった。

最終話 花咲くいつか

最終話 花咲くいつか

  • 発売日: 2017/05/19
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

ヤマノススメ』(6月)
そういえば「アニメスタイル013」に載ってたヤマノススメ特集読んでないなあ……と思い出し、1期から通して見ることに。
サードシーズンはTwitterでも結構話題(あおいとひなたのすれ違い展開、作画とか)だったので、「ここがそうなのかあ」と答え合わせするような心地で視聴。
こういった5分アニメ(2期からは15分アニメ)が商業的に成功することもそうだし、充実した映像作品として大成することも、幸せな事だなあと思いました。

ヤマノススメ おもいでプレゼント
 

 



 

鈴木先生』(8月)
長谷川博己主演のテレビドラマ。思春期の性と教育に切り込んだ作品。
僕は親が教員なので、先生側に感情移入しながら観ていた。たとえ難しい問題であっても答えを出さなければならない、というところに学校教育の恐ろしさがあるなあ、と怖くなった。

第7話

第7話

  • 発売日: 2014/10/17
  • メディア: Prime Video
 

 

 

殺人の追憶』(9月)
韓国映画デビューを決意して再生した最初の作品。「ダークサイドに堕ちる」ことを、具体的なものとして目の前に提示してくれて、事件自体にはもやもやしつつも、納得感のある映画だった。今年、この事件の容疑者が見つかった、というのもあって、とても印象的な一作。

殺人の追憶(字幕版)

殺人の追憶(字幕版)

  • 発売日: 2014/06/07
  • メディア: Prime Video
 

 

 

フルメタル・パニック!』(10月)
どこか懐かしい作風・映像で、とても楽しんだ。『ふもっふ!』だけで1クールやれるなんて良い時代だ。特に『The Second Raid』は京都アニメーションには珍しいバイオレンスで驚き。これと合わせて『日常』も観て、やはり凄いスタジオだったんだな、と認識を新たにした。

つづく日々

つづく日々

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

約束のネバーランド』(11月)
この直前に観ていた『鬼滅の刃』もいいんですけど(挿入歌と原作買いました)、アニメとして楽しんだのはこっちかな。ママがどんどん本性を現していくサスペンスに戦慄。特にノーマン出荷からの怒涛の展開は、「オリジナルの1クールアニメだっけ?」と思わせるくらいの畳み掛けだった。ママとレイの関係なんか、最終回でぶちこんできて最高だった。

EPISODE.10 130146

EPISODE.10 130146

  • 発売日: 2019/03/15
  • メディア: Prime Video
 

 

 

仮面ライダーW』(12月)
本放送以来10年ぶりの視聴。若き日の菅田将暉が……というより、全員演技が最初っから安定していて、観ていて安心。この完成度の高さはどこから来るんだろう、と観ていてずっと不思議だった。当時はあまり好きとは言えなかった〝フィリップ復活"の展開も、今回はすっきり受け止められて、随分印象が変わった。

第44話「Oの連鎖/シュラウドの告白」

第44話「Oの連鎖/シュラウドの告白」

  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: Prime Video
 

 

 

こんな感じに、色々好きなものを観ていた2019年。
来年は、もっと外国のドラマや映画を観て、彩り豊かなラインナップにしていきたいです。
ではでは。

 

7年後にまた観ます――『空の青さを知る人よ』

『空の青さを知る人よ』を観てきた。

 

観ているうちに分かったのは、これは7年後に観るべき映画、ということだった。

この作品の語り口は、端的に言って静かだ。
細かなギャグはくすりと笑えるし、決して暗い映画ではないのだが、こちらの感情を必要以上に揺さぶろうと仕掛けてはこない。

それが何故かと言えば、この映画が青春の情動を描くものではないからだ。
メインキャラクター4人のうち、半分が31歳。
高校生のキャラから「ババア」「ジジイ」と称される彼等の、どこか擦れてしまった様子が、粛々と描かれていく。

彼等が口に出す葛藤は、何ら特別なものではない。
「こういうこと考えてるんだろうな」というこちらの予想を、そのまま言ってくれることもある。

でもその葛藤は、身に覚えのあるもので、決して「凡庸」と切って捨てることは出来ない。そう、これは特別な4人の話ではなく、本当の意味で等身大の4人の話なのだ。

 

実は、最初に予告を観た時、「今更バンドもの?」と思った。
「地元を出る/出ない」という話も、何だか古臭いなあ、という印象を受けた。

事実、ちょっと古い話ではあると思う。けれど、確かに“今の物語”でもあるのだ。
この映画で描かれる物語は、山に囲まれた田舎町では、ずっと繰り返されているからだ。
町を出たい者、町を出たくない者、町を出られなかった者、町に戻って来た者……
ご多分に洩れず、僕もその一人である。
「こんな町、出て行ってやる」とまでは思っていなかったけど、「ここでずっと暮らすのは無理だ」と思っていた。
そして実際に、今は違うところで暮らしている。

ただ、共感できるほどには、僕はまだ年を取っていない。
劇中の慎之介のように、酸いも甘いも知り尽くしたわけではない。
だから、7年後にまた観たい。慎之介と同じ年になった時には、きっと違う感想を抱くだろうから。
そういう、未来を見せてくれる映画だった。

 

「空の青さを知る人よ」オリジナルサウンドトラック

「空の青さを知る人よ」オリジナルサウンドトラック