ひるねゆったりの寝室

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唐突に『魔法少女まどか☆マギカ』の話

唐突に、とは言うものの、自分の中では繋がっています。
今日、『魔法少女まどか☆マギカ10(展)』を見てきたからです。
これは2011年に放送されたTVシリーズを振り返る展覧会で、劇場版に関係する展示物はほぼないです(『叛逆の物語』での変身シークエンスムービーなどの例外があります)。
概ねエピソード順に作品を振り返っていき、制作途中の素材(原画・動画など)、この展示会のために作った展示品(模型やパネル)が組み合わさって並んでいます。
中でも第10話を丸ごと大量の原画で振り返るゾーンはとても素晴らしかったです。個人的に10話が好きですし、飾られた絵のどれもが気迫に満ちていました。

 

そんなわけで『まどマギ』への気持ちがちょうど高まったので、今回はこの作品について、思い出話を書きます。
公式では『まどか』の略称で呼ばれていますが、私はつい『まどマギ』と呼んでしまいます。
なぜなら、当時私の身の回りでこの作品を観ていた友人達が、全員その略称で呼んでいたからです。

まどマギ』の放送時、私は高校1年生でした。アニメ好きな人が多い部活に所属していたため、それなりに同じクールのアニメの話題が流れる環境でした。
本放送当時、私は『まどマギ』を観ていませんでした。しかし、その熱は周囲の話を通して伝わってきていたのです。
彼らの話から「マミさん(&マミる)」「キュゥべえ」「ほむほむ」の3つを覚えたはずです。みな、『まどマギ』がどうした、『まどマギ』はああだった、と1つの作品を楽しそうに話していて、「なんだかわからないけど、すごく流行っているぞ!?」と思っていたのを覚えています。

結局、私が見たのはDVDの最終巻が出て以降のことです。
みんなが熱狂するのがよくわかりましたし、とても面白かったです。

しかし、内容以上に、やはり周囲の過熱ぶりが印象に残っています。
色々あって、部活のメンバーで文化祭中に『まどマギ』の仮装もしたのですが、きっと今で言えば『鬼滅の刃』コスプレをするような感覚だと思います。
(いや、もうちょっとアニメファン向きの作品の方がノリやすいので、『ウマ娘』とかの方が近いのかな……?)
当時、私は未視聴にもかかわらず、「美樹さやか」の仮装をしました。
未視聴でもみんなの輪に入りたい、と思わせるほど、『まどマギ』はこの部の中で大きな力を持っているコンテンツだったのです。
そういう意味で、局所的に『鬼滅の刃』級だった、と言えます。

のちのち、2013年の『進撃の巨人』や2016年の『君の名は。』などで、SNSや紙メディアでたくさんの人が感想を言っている、という状況には遭遇しましたが、
自分のリアルの知り合いが複数人、ここまで一つの作品に熱狂したのは例がありません(しかもほとんどがリアルタイム視聴)。
2011年には『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』もあり、こちらもネットニュース等で存在を知っていましたが、なぜか私の周辺では『まどマギ』一色でした。
それはおそらく「全員がニコニコ動画でアニメを観ていた」ことと無縁ではないと思うのですが、あくまでもただの直感で根拠はありません。

まどマギ』はそういった、作品内容とは別の思い出が存在していて、自分の中で不思議な特別さを保持しています。
なので、TVシリーズに関しては、やはり自分は後追いのファンであるという意識が強く、なかなか「好きなアニメは『まどマギ』です!」とは言えません。
一方で、大学進学後に、初めてもらったバイト代でBDを購入した『叛逆の物語』に関しては、「好きなアニメ映画は『叛逆の物語』です!」と屈託なく言える気がします。

これは「自分で稼いだお金で買ったものは格別」という意味合いもありますが、誰かに勧められたからではなく、自発的に好きになったものだからです。
より詳しく言うと、「まどかの自己犠牲エンドは悲しいな」と思っていたところに、それを疑問視するような内容の劇場版が出てきたのが大きいと思います。
「誰かの好きな作品」であったものが「自分の好きな作品」に変わったこと。そういう経験は数少なく、10周年の展示会にもつい足を運んでしまう原動力となっています。新作劇場版の公開が予定されていますが、それが果たして自分の中でどんな位置づけの作品になるのか……今からとても楽しみです。

 

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